優美な王朝の大和絵風の伝統文化と、宋元画風の禅文化とが巧みに融け合って、独特の美しさを表現しているのが、夢窓国師作庭の曹源池庭園で、嵐山、亀山などを巧みに取り入れた借景式庭園として、わが国では初めて特別名勝に指定され、廻遊式庭園としても最も古い遺構である。
池の前提は洲浜形の汀や
島を配して、砂の白と松の緑がきわ立ち、大和絵さながらの味をみせ、池の奧の山際に岩石を組んで、遠山渓谷を表わし、渓流が池に落ちる滝口に巨岩を二段に立てて滝の落ちるさまにかたどり、これに鯉魚石を配して登龍門の故事になぞらえている。
その前の自然石の橋、三尊形式の岩島、亀山の松かげをうつす水面に浮嶋のように頭をもたげた岩
のたたずまいなど、いずれも嵐山の遠景とともに、四季を通じて絶賛されるところである。


写真撮影:柴田秋介
|