

私たちは、作庭を通じ、何を学び、何を表わし、後世に何を残し伝えられるだろうか。
「庭を創る」という、限りなく自由で創造的な世界。それは、大きく云えば、「地球を彫刻する」行為である。「永遠のロマン」を夢みつづけ、具現化させることでもある。
わび・さびを感じさせ、人の心をしっかりと、落ち着かせる伝統的な日本庭園。素材や構成に独創的な現代感覚を漂わせる庭。それらには、造形的で、立体的な美しさと面白さを表現し、絶妙のバランス感覚を具現した空間の美が存在するとともに、時を経るごとに風情と風雅さをにじみ出す時間の重みを味わうことができるはずである。
構想を練り、素材を吟味し、現場で当意即妙の創意と工夫を加えながら作庭した庭。しかし、それは、より完成された庭を創り上げるための始まりであり、時間の美を創り出すための出発点でしかない。
庭を愛する人々と語り合い、心を交わす日々。一つ一つの点がつながって、力強い線となる「円相」の如く、施主であるお客様と私たちとが心を合わせ、協力し合って、よい庭、立派な庭と評価される庭を創り出せることができるのである。
限られた空間の中に、無限の宇宙を構築し、気宇壮大な大自然の息吹きを再現する庭師の心意気。大きな意味を包み込み、育てる源をもっている庭。その造景を志す者たちとも、また力を合わせて、未来に大きくはばたく企業を育てたい。
人間の力や理性では、対峙し、征服することなどできない自然の力。それだけに、自然の懐に飛び込み、自然の偉大な力を活用して、技で自然を生かし、芽吹かせるのが造園の醍醐味である。連綿と伝えられて来た、その技を明日に伝え、より多くのすばらしい庭を創りつづけたい。
悠久の時の流れと、人の営みの移り変わりを見つづけてきた京の名園。
これら、数多くの貴重な文化遺産を預かり、伝統の技をもって未来へと受け継ぐのが、伝承の匠である。
日本の自然風土が凝縮され、日本人の美意識が結実されて、長い歳月を経た古庭園。
そこに存在する時空間は、私たちにとって何よりのすばらしい心の師である。
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